孤独死した親の部屋に入ったら相続放棄できなくなる?遺品に触る前に知っておくこと
突然の孤独死の知らせを受け、警察や大家さんから連絡が入ると「早く部屋を片付けなければ」「中を確認しなければ」と焦る方が大半です。
結論から申し上げますと、亡くなった方の部屋に入ること自体や、現状確認のために室内を確認するだけであれば、相続放棄ができなくなる(単純承認になる)ことはありません。
しかし、「良かれと思ってゴミや家具を処分する」「故人の財布からお金を出して使う」「賃貸契約を独断で解約する」といった行為をしてしまうと、法律上「相続することを認めた(単純承認)」とみなされ、後から多額の借金や原状回復費用が発覚しても相続放棄が認められなくなる致命的なリスクがあります。
動く前に、何がセーフで何がアウトなのか、正しい境界線を知っておくことがご自身の人生を守ることにつながります。
こんな不安を抱えたまま、部屋の前で立ち止まっていませんか
孤独死した親のマンション。部屋には入りましたが、遺品には手をつけていません。これで相続放棄はまだできますか?
父が孤独死し、警察から財布やスマホを渡されました。相続放棄が決まるまで、そのまま実家に置いておくつもりですが、預かっていること自体が放棄に影響しますか?
自室で亡くなって数週間気づかれず、特殊清掃が必要な状態です。遺品整理はしたい。でも相続放棄もしたい。両方できる方法はありませんか?
社宅で兄弟が孤独死したと警察から連絡がありました。火葬と葬儀以外は、手続きが終わるまで何もしない方がいいのでしょうか?
【根拠】相続放棄できなくなる行為・大丈夫な行為の境界線
民法上、相続財産の「処分」にあたる行為をすると、単純承認(民法921条)が成立し、相続放棄ができなくなります。判断に迷いやすい具体的な行為を整理しました。
やっても大丈夫な行為
- 部屋に入って
状況を 確認する - 経済的価値のない
形見分けを 受け取る - 一般的な
葬儀費用の 支払い (※要注意)
やってはいけない行為
- 部屋の
ゴミや 家具を 勝手に 処分・ 片付ける - 賃貸借契約を
勝手に 解約する - 故人の
財産 (現金・ 預貯金・ 車など)を 消費・ 売却・ 名義変更する
1. やっても大丈夫な行為(相続放棄に影響しないもの)
- 部屋に入って
状況を 確認する: - 室内の保全や貴重品の確認など、現状を把握する行為(保存行為)は問題ありません。
- 経済的価値のない
形見分けを 受け取る: - 写真アルバム、手紙、使い古された日用品など、資産価値のないものを持ち帰る程度であれば処分には当たりません。
- 一般的な
葬儀費用の 支払い (※要注意): - 故人の預貯金から「常識的な範囲内の葬儀費用」を支払うことは判例上認められるケースが多いですが、後から「過大である」と争われるリスクもあるため、可能な限り手を付けないのが安全です。
2. やってはいけない行為(相続放棄ができなくなる恐れがあるもの)
- 部屋の
ゴミや 家具を 勝手に 処分・ 片付ける: - 大家さんから早く対応してほしいと強く頼まれて「迷惑をかけないよう片付けた」場合でも、客観的には「遺産の処分」とみなされる危険性が極めて高いです。
- 賃貸借契約を
勝手に 解約する: - 解約や敷金の精算手続きは相続権の行使とみなされる可能性があります。
- 故人の
財産 (現金・ 預貯金・ 車など)を 消費・ 売却・ 名義変更する: - 一部でも自分のために使ったり隠したりした場合は一発で単純承認となります。
警察から預かった「財布やスマホ」はどう扱うべきか?
警察から身元確認などの流れで「財布やスマートフォンなどの所持品」を引き渡されることがあります。相続放棄をする前提であれば、相続放棄によって相続権が変わるため、基本的にはそもそも所持品を預かる必要はありません。やむを得ず預かった場合でも、「預かっただけで使っていない」状態であれば、直ちに単純承認にはなりません。ただし、中の現金を生活費に使ったり、スマホを解約・売却したりしてはいけません。そのまま手を付けずに保管し、管轄の家庭裁判所に相続放棄の申述(※相続放棄をされる方が1都3県にお住まいの場合、手続きは提携の司法書士をご紹介します)を行った上で、最終的に相続財産清算人へ引き継ぐか、状況に応じて適切に保管場所へ戻す必要があります。
【横倉の実務解説】「放棄しかない」と思い込む前に知ってほしい選択肢
大家さんから「特殊清掃やリフォーム代を請求する」と迫られたり、孤独死で事故物件になってしまったりすると、「もう借金を背負いたくないから放棄するしかない」とパニックになってしまいがちです。
ですが、現場を数多く見てきた実務家としてお伝えしたいのは、「慌てて放棄を決める前に、まずは客観的な財産調査を行うべき」ということです。
1. 孤独死・事故物件でも「手元に残る財産」があるケースも
孤独死が発生した賃貸物件やご実家であっても、適切な遺品整理を行い、正しい手順で不動産や預貯金の調査を行うと、実はプラスの財産が残るケースも少なくありません。スタートラインでは、宅建士の資格を持つ行政書士が「相続手続きの窓口」となり、提携する遺品整理業者と連携しながら、現況のままでの売却(現況有姿売買)や、売却代金を当事務所の預かり口座で管理して諸経費を精算する「換価分割」をサポートしています。
※ここでいう遺品整理は、財産の調査・保全を目的とした確認作業を指します。家財の廃棄・売却など「処分」にあたる作業は、相続放棄をするかどうかの判断が済むまで行いません。ご自身の判断で先に片付けてしまうことだけは避けてください。
2. 相続放棄には「3ヶ月」の期限がある
調査の結果、やはりマイナスの借金や損害賠償の方が大きいと判明した場合は、相続開始を知った時から3ヶ月以内に家庭裁判所へ申述しなければなりません。自己判断で部屋を片付けたり、放置して3ヶ月を過ぎてしまうことが一番の不利益です。
専門家に頼む前に、まずLINEで聞く
「警察から荷物を渡されたけれど、どう保管しておけばいい?」「大家さんから早く片付けてと催促されていて眠れない」
いきなり費用をかけて専門家に依頼する必要はありません。まずはLINEで現在の状況やお困りごとをお聞かせください。行政書士法人スタートラインが、あなたの平穏な日常を守るための最初の一歩をご案内します。
特に次のような状況の方は、お一人で判断される前にご相談ください。
- すでに部屋に入った、荷物を動かしてしまった
- 大家さんや警察から対応を急かされている
- 特殊清掃が必要な状態になっている
「通知書の写真」や「今の状況」を送るだけで、初回無料相談・簡易相談が可能です。
※お送りいただいた写真やメッセージは、相続のご相談への対応以外の目的には利用しません。
関連する事例・ページ
相続・生前対策のことで気になることがあれば。
スタートラインは、これまで多くのおひとりさま・独身の方の相続手続き・相続不動産の売却を積み重ねてきました。初回は無料相談を行っておりますので、お気軽にご相談ください。
無料相談を予約する